水の話

EU加盟国のナチュラルミネラルウォーター基準

CODEX等によるミネラルウォーター基準
品名 基準
ナチュラル
ミネラル
ウォーター
  • 公的機関の審査と承認を必要とする。(水源の認定
  • 人体に健康に有益なミネラル分を一定量保持する。飲み続ける事で健康に好適な特性がある事が、科学的、医学的、又は臨床学的に証明されている。
  • 水源の微生物学的な純粋性及び本質的成分化学組成が保証される。
  • 地下の水源から直接採水され、添加物を加える事なく、一切空気に触れる事なく、直接ボトリングされる。水質の汚染を防ぐ為に、採水地周辺の環境保全が常に行われている。
  • ミネラルバランスが良くて、含有成分や水の温度、および他の性質が常に安定している。
  • 殺菌やミネラル分の添加、調製等、あらゆる人為的加工をしてはならない。 但し、砒素の除去、鉄、マンガン、硫黄の不安定な化合物の分離等の一部の処理に限って認められる。二酸化炭素の完全または部分的除去及びその後の再注入が可能である。
  • 容器に入れる前にバルクコンテナで輸送してはならない。その容器の容量は2リットルを超えてはならない。
スプリング
ウォーター
一箇所の地下の水源から直接採水され、添加物を加えることなくボトリングされる。
プロセスド
ウォーター
熱処理や濾過、ミネラルの添加等人の手を加えた水である。(加工水)

EU加盟国では「水源に一切手を加えない」と言う事はナチュラルミネラルウォーター規格の大前提です。

日本のミネラルウォーター類

厚生労働省によるミネラルウォーター類の品質表示ガイドライン
品名 原水 処理方法
ナチュラル
ミネラル
ウォーター
特定水源より採水された地下水のうち、鉱化された地下水(地表から浸透し、地下を移動中又は地下に滞留中に地層中の無機塩類が溶解した地下水)。鉱泉水、鉱水等。 濾過、沈殿および加熱殺菌に限る。
ミネラル
ウォーター
ナチュラルミネラルウォーターと同じ。 濾過、沈殿および加熱殺菌以外に別記の処理を行った物。複数の原水の混合、ミネラル分の調整、ばっ気、オゾン殺、紫外線殺菌等を行った物。
ナチュラル
ウォーター
特定水源より採水された地下水。 濾過、沈殿および加熱殺菌に限る。
ボトルド
ウォーター
又は飲料水
飲用水。(純水、蒸留水、河川の表流水、水道水等) 処理方法の限定無。

日本やアメリカ等では原水の殺菌処理を行う事が前提ですが、これに対してEU加盟国では無殺菌・無除菌で製造されています。
日本の法律上では「ミネラルウオーター類のうち、容器包装内の二酸化炭素圧力が20度で1.0kgf/cm2未満で あって、かつ、殺菌又は除菌を行わないものにあっては、殺菌又は除菌を行っていない旨を 表示しなければならない」と言う事が決まっています。
従って、無発泡水のラベルには「殺菌・除菌していない」と書いてない場合はその水が殺菌・除菌されていると言う意味となります。
例えば、クリスタルガイザーはナチュラル ミネラル ウォーターではなく、ただのミネラルウォーター(湧水)だけであり、オゾン殺菌と濾過されているのでラベルには「殺菌・除菌していない」と書いてありません。

原水の種類

鉱泉水
自噴する地下水のうち水温が25℃未満の地下水であり、かつ、溶存鉱物質等により特徴付けられる地下水
鉱水
ポンプ等により取水した地下水のうち溶存鉱物質等により特徴付けられる地下水
温泉水
自噴する地下水のうち水温が25℃以上の地下水、又は、温泉法第2条に規定される溶存鉱物質等により特徴付けられる地下水のうち飲用適のもの
湧水
不圧(自由面)地下水、被圧地下水の区別によることなく、自噴している地下水
深井戸水
深井戸からポンプ等により取水した地下水
浅井戸水
浅井戸からポンプ等により取水した地下水
伏流水
上下を不透水層にはさまれた透水層が河川と交わるとき透水層内に生じる流水

水に関するイタリア語用語集

天然水(ナチュラルミネラルウォーター)はイタリア語では「acqua minerale naturale」と言います。「アックア ミネラレ ナトゥラレ」と言う読み方です。

水の用語集

Acqua
(アックア) 水
Anidride carbonica libera
(アニドリデ カルボニカ リベラ) 遊離二酸化炭素
Conducibilità elettrica
(コンドゥチビリタ エレットリカ) 導電率
Frizzante
(フリッザンテェ) 炭酸入り、発泡
Gassata
(ガッサタ) 炭酸入り、発泡
Liscia
(リシャ) 無発泡
Microbiologicamente pura
(ミクロビオロジカメンテ プラ) 「細菌的に純粋」、細菌は陰性
Minerale
(ミネラレ) 鉱物性の、鉱物質を含む
Naturale
(ナトゥラレ) 天然、無発泡 (口語)
Residuo fisso
(レスィドゥオ フィッソ) 蒸発残留物
Temperatura alla fonte
(テンペラトゥラ アッラ フォンテェ) 水源での水温

蒸発残留物

蒸発残留物のグラフ
蒸発残留物 (180℃でのmg/l)

ヨーロッパでは、硬度より蒸発残留物の方が大切です。イタリアで流通するミネラルウォーターのラベルに硬度が記載される事は殆ど有りませんが、必ず蒸発残留物が載っています。ヨーロッパでは日本と基準が違い、カルシウムとマグネシウムだけでなく、ナトリウムやカリウム等もを含めた総てのミネラル含有量を測ります。ミネラル分は少な目であれば体に負担が掛りません。従って、理想的なナチュラルミネラルウォーターはoligominerale(ミネラル分が少ない)と言う種類です。

蒸発残留物とは、180℃での蒸発後の水1リットルから得られたミネラル成分の総量 (mg/l) を示す物です。蒸発残留物が少なければ水は軽くなります。

硬度

硬度のグラフ
硬度 (mg/l)

元来、「硬度」と言う物は石鹸の溶け易さに関する指標です。水は硬ければ硬いほど洗剤が溶け難くなりますので硬い水は洗濯に否定的な影響を与えます。イタリアの伝説によると、完璧主婦は引っ越す時に新しい家の水道水の硬さを調べるそうです。日本では、硬度が飲料水に適用されました。

日本の硬度 (mg/l) = カルシウム量 (mg/l) x 2.5 + マグネシウム量 (mg/l) x 4.1

page top