銀製品の話

シルバーとは古代人が最初に扱った貴金属の一つです。
なぜ中世ヨーロッパの時代からシルバーが愛用され続けていたかというとシルバーは本当に体に優しい金属だからです。

シルバーは、体に優しいイオンを与え、飲み物や食べ物など中に入れた物を腐りづらくする作用がある点が一つ、毒に反応して色が変化するということが一つ、そしてとても不思議な金属で、赤ちゃんのお守りや記念の品に使われています。

色が変わりやすいと、世間でもっぱら評判のシルバーですが、放って置くと淋しくて色が変色してしまいますが、ずっと愛用していただければ美しさは変わりません。

最高級品質保証

イタリア製の銀製品にはイタリアの法律で義務付けられている貴金属(銀)の刻印が押してあります。法律で定められた条件を満たさなければ銀の刻印を押すことが出来ません。
銀工芸の歴史の長いイタリアでは、そう言った刻印は消費者に対する品質の保証書となります。
その刻印の例は以下の通りです。

純銀度の刻印

純銀度の刻印:

合金が純銀の925と銅の75です。楕円形の輪郭に表記を内接する事です。

製造者登録の刻印

製造者登録証明の刻印:

イタリアでは、政府の発行する特別な免許が無ければ銀の加工・販売をしてはいけません。 その為に、各メーカーには星(5つの角)と登録番号と本店所在の県を示す刻印を付与します。

「イタリア製」刻印

「イタリア製」刻印:

追加の保証として、「Made in Italy」刻印も押してあります。

現在、イタリアでは本物の銀製品を保証する制度として、純銀度と製造者登録証明の刻印です。法律上で2個の刻印だけが認められているので、その刻印を押してない物は銀、銀製品とはいえません。

現在の日本市場で銀製品・銀器として販売されている商品の一部は、銀メッキ等であることにご注意下さい。例えば、クリストフルの製品はシルバーだと言いますがただ銀メッキだけです。それなのに銀製品と同じ値段で販売されています。

銀製品の歴史

現在知られている最古の銀製品は紀元前3000年前のもので、貴金属細工誕生の地とされるメソポタミア、カッパドキア、トロイア、フェニキア等のシュメール人の墓から発見された瓶類です。

紀元前2世紀になると、ローマ人がシルバーの熱狂的な収集を始めました。古代ギリシャ 時代にギリシャ本土や各地の植民地でつくられた什器類の多くは、ローマ人のためのもので した。このように、古代ギリシャ様式は古代様式に溶け込み、さまざまな用途の銀製品を生み出していきました。

ルネッサンス期の到来で、フォーク、カップ、水差しなどの新しい什器もつくられるようになり、銀製品も充実していきます。それまで洗練されてた作法のなかったフランス宮廷に フォークやナイスを使用する習慣をもたらしたのは、他でもないフィレンツェから嫁いでいっ たカテリーナ・デ・メディチでした。

バロック時代には、オランダと並んでイタリアの銀器がヨーロッパを征するようになります。 18世紀中頃は、世界中のブルジョア階級が「ドメスティック・シルバー」を好んで用いるようになり、それが社会的地位のシンボルとなりました。そのため銀器の加工技術が飛躍的に進歩し、品質・デザインともにハイレベルなものとなりました。

19世紀は工業化が進み、テイストも時代とともに変化しました。20世紀になると、銀職人 の間でデリケートな草花装飾のリバティ様式や、幾何学模様のアールデコが熱狂的に受け入れられるようになりました。 イタリアの銀職人たちの多くはミラノ、トリノ、ベネチア、ジェノバ、フィレンツェ、ローマ、ナポリ、パレルモなどの都市に分散しています。これはイタリアが多くの都市国家から成り立っていたためで、古代ローマ帝国時代からバロック、ロココを通じて現代に至る時代の流れの中で、それぞれの都市独特のスタイルを発展させてきたのです。

ローマで公開された銀製の食器=ロイター

【ローマ=藤原善晴】イタリア文化省は18日、紀元79年に起きたベスビオ火山噴火時の遺構から見つかった銀食器セットを、ローマ市内で報道陣に公開した。
大小の皿を含む計20点で、裕福な家族が特別な儀式などで用いたものと推定される。美しい浮き彫りなどの保存状態もよく、当時の生活や経済状態を知る上で貴重な資料だ。
セットは、同国南部のポンペイ遺跡から約1キロ離れたモレジネで2000年、高速道路工事の最中に見つかり、同省が5年間かけて泥の洗浄や研磨などを行った。
来年、ほかの遺物とともにローマ市内の考古学博物館で一般公開される予定。
(2005年7月19日23時49分 読売新聞)

銀製品の生産

シルバー製品(銀器、宝飾品)国別生産量のランキングではインドが1位でイタリアが2位です。イタリアのシルバー製品の生産量はアメリカの3倍でフランスの20倍で日本の25倍です。

主要国のシルバー製品(銀器、宝飾品)生産量(2004年)単位:トン

数量
1 インド 1,447
2 イタリア 1,379
3 タイ 1,296
4 メキシコ 502
5 アメリカ 495
6 中国 440
7 ドイツ 231
8 トルコ 209
9 インドネシア 158
10 韓国 151
11 バングラデシュ 135
12 ポーランド 100
13 ギリシャ 93
14 イスラエル 80
15 フランス 71
16 スペイン 61
17 エジプト 61
18 日本 58
その他 990
全世界 7,957

出所:The Silver Institute

銀とは

(ぎん、イタリア語 Argento アルジェント、英語 Silver シルバー)
原子番号 47 の元素。元素記号は Ag。金属の一種で、貴金属に分類される。 元素記号の Ag は、ラテン語での名称argentum(輝くもの)に由来する。 電気および熱伝導率また可視光線の反射率は、いずれも金属中で最大。

光の反射率が極めて高い事から、ラテン語では「輝くもの」と呼ばれ、 日本語ではしろがね(白い金属)と呼ばれた。

銀イオンはバクテリアなどに対して極めて強力な殺菌力を示す。

貴金属の中では比較的化学変化しやすく、空気中に硫黄分 (自動車の排気ガスや、温泉地の硫化水素など)が含まれていると、 表面に硫化物 Ag2S ができ、黒ずんでくる。
古来から支配層、富裕層の人々に高価だという理由で銀食器が多く用いられてきた背景には、ヒ素などの毒などを盛られた場合に銀の化学変化をおこしやすい特徴を利用して、逸早く異変を察知できるようにしていた為という説がある。

アルゼンチンの国名は銀のラテン語名「argentum」に由来する。

産出地

金とともに、中世では新大陸発見までの慢性的な不足品であって、そのため高価でもあった。この時代の日本は東アジア随一の金、銀、銅の採掘地域であり、中国への輸出も行っていた。そのためこれらの金属は貿易品としても有効であって、銀山は鎌倉幕府以前から江戸の鎖国終了からしばらく、明治に至っても国が直轄する場合が多かった。その後、日本の銀山は資源枯渇のため、世界の銀産出地から日本の名前は消えた。

新大陸発見後は、ペルーなどで大量採掘された銀が世界中に流れることになった。しかしながらいまだに銀は高価な金属であって、その光沢とともに、人々に愛好されている。

貨幣としての利用

古来、金とともに、貨幣として広く流通した。

蒸着利用

真空中に於いて銀を高温で熱し、気化させ、目標物に蒸着させる事により、銀の反射性を利用しようとする物。 鏡、反射フィルムなど応用範囲は広い。

抗菌性の利用

銀イオンはバクテリアなどに対して極めて強力な殺菌力を示すので、近年急速に殺菌剤として普及してきた。 また、近年は浄水器の滅菌装置にも利用されている。 抗菌性が高い金属イオンとしては、水銀、鉛などが知られているがこれらは動物に対しても害があり使用できない。日常使用しても環境にも害がなく、抗菌性を持つものとしては銀と銅がある。銅が用いられるようになってからは200年ほどの歴史があるが、銀は1990年頃から使用されるようになった。

銀イオンは感光性があり、普通の塩の状態ではすぐに還元されて黒い銀の単体粒子が析出してしまうからである。最近はチオ硫酸イオンなどを配位させた錯イオンを用いて、感光性をなくしたものを使用している。

公衆浴場での利用

日本では公衆浴場における浴槽水の衛生管理が義務付けられているが、銀イオンはその浴槽水の殺菌に利用されている。公衆浴場の浴槽水において、厚生労働省からは塩素剤による殺菌を推奨しているが、水の中には水質的に塩素殺菌が不向きな水質も存在している。銀イオンは、そのような従来の塩素殺菌が行いづらい水質の一部でも、有効的に殺菌を行えることが確認されており、銀イオンによる浴槽水殺菌方法として使用されている。又、他の浴水殺菌剤や殺菌装置にはない、還元的な殺菌作用(ORPによる比較)から近年注目されている殺菌方法である。

写真への利用

銀はまた、写真の感光剤(臭化銀、ヨウ化銀など)として利用されている。銀のハロゲン化物が光を受けて銀原子を生成すること(潜像)を利用し、適当な還元剤と反応させることによりその変化を増幅し(現像)、画像を記録することを可能にした。さらに、単独では濃淡しか表現できないが、複数の色素とフィルタ等を組み合わせ、波長に応じて感光の度合いを変化させることにより、カラーでの記録を可能にした。

医療用途への応用

銀は歯科治療で利用されている。すなわち、虫歯の治療で歯を削った後に銀を埋め込む。そのほかに、型を取って埋め込むことも行なわれている。銀と水銀を化合処理させてアマルガムを生成、それを詰め物として使うこともある。(近年、銀は無毒であるが、水銀の有毒性からアマルガムが問題視され、詰め物への利用は控えられている。)

電子工学分野への応用

銀は既存の金属の中で最も電気抵抗が低い。そのため、導電性の良い電線として利用されている。もちろん銀そのものが高価なため、特殊な場合にのみ利用される。マニア向けの、オーディオケーブル、スピーカーケーブル等がその例である。

宝飾品としての利用

古代サメのアクセサリー銀は、その白い輝きから宝飾品としても広く利用されてきた。貴金属のなかでは比較的産出量も多く安価であるため、日本では特に若者向けの宝飾品として人気がある。宝飾品などとして利用する場合、純粋な銀では柔らか過ぎて傷つきやすい為、他の金属との合金の形で利用される事が多い。日本では、一般的に銅を混ぜるが、金属アレルギーになりやすいが低コストや酸化防止の目的でアルミやニッケルを混ぜる国もある。

プラチナを混ぜたプラチナシルバーや金・パラジウムを混ぜたシルバー、また色合いを変えたイエローシルバー、ピンクシルバー、グリーンシルバーなどもある。

Silver900 (SV900):コインシルバー
Silver925 (SV925):スターリングシルバー(品位記号STERLING)
Silver950 (SV950):ブリタニアシルバー(品位記号BRITANNIA)
Silver1000 (SV1000):純銀、ピュアシルバー
銀製品は、年月を経ると空気中の硫黄分と反応して黒ずんでくるが、これを燻し銀と呼んで愛好する向きもある。日本の造幣局では純度80.0%以上のみを貴金属として認めている。

銀の象徴的意味

銀スプーンは、美しい白い光沢を放つ事から、占星術や錬金術などの神秘主義哲学では 月と関連づけられ、銀は男性を、金は女性を意味していた。
ある時を境に位置が逆転し、銀は月や女性原理などを象徴する物となり、一方、金は太陽や男性原理などを象徴する物となった。

また、各種競技、コンクール等で、2位の場合に送られるメダル等に使われていることから、 二位という象徴的意味も持ち合わせている。

銀相場

金と並び素材として広く一般に使用されることから投資の対象にもなっている。時には、投機的な資金が流入して相場価格が乱高下することがある。

投資の対象として注目されるようになった発端は、1979年~1980年のハント兄弟が工業用にも利用されている銀の価格が金と比べて低いことに着目した買い占めがきっかけであり、一時は20倍もの価格上昇が発生した。ハント兄弟の価格つり上げ工作は、欧州の一般家庭が使っていた銀食器が鋳つぶされ、市場に大量放出されたことによる暴落で大失敗に終わるが、その後も1996年には米国の投資家ウォーレン・バフェットが世界の年間供給量の5分の1を買い占めたと表明し、直後に暴騰が生じるなど、依然として混乱は見られる。

なお、もっとも銀消費量が多かった写真工業分野では、現像時の銀回収システムやフィルムを使わないデジタルカメラの移行が進んでおり、ハント兄弟の買い占めに際して発生した写真フィルム、レントゲンフィルムの品不足のような事態は、今後は発生しにくいと考えられている。

伝承

中国には、シロアリが銀を食べるという話が伝わっている。清代の康熙年間に呉震方が著した『嶺南雑記』には、1684年にある役所の銀倉庫で数千テールの銀が紛失したが、倉庫の隅にシロアリの巣が有った以外に異常はなく、不可解に思いながらシロアリを炉に放り込んで焼き殺したところ、炉から銀が出たという話が書かれている。また、『天香楼外史』にも銀を入れていた木箱がシロアリに喰われて、銀が消えたが、シロアリを炉で焼いたら箱に入れていただけの銀が出たという話が載っている。これらの伝承には一部誇張もあるであろうが、シロアリは食物を求めて巣から蟻道を伸張する過程で、立ちふさがる障害物はとりあえず齧って突破を試みることが知られているので、それによって銀塊が著しく損傷したことを伝えているのであろう。現代でも地下埋設された鉛管をシロアリが損傷することがよく知られている。いずれも軟らかい金属ならではの被害といえる。齧りとられた銀は消化管を通じて、あるいは口でくわえて巣に持ち帰り巣材に用いられたであろうから、巣をシロアリもろとも焼けば塗り込められた銀粉が再度溶けて銀塊に戻ることもあり得る話である。

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